2016年02月26日

感性と俳句

俳句とは世界一短い詩である。
詩であるから詠む人は感性が欠かせない。
しかし感性のない人間は存在しないと思う。
嬉しければ笑い、哀しければ泣く。これが感性の原点だ。

だから誰にでもある。
しかしその感性を俳句モードにできるかどうかは別物だ。
俳句に使えなければ俳句用の感性ではないからだ。

春の水雑巾ゆったり沈みけり  東京俳壇2席

この句は雑巾がバケツに沈む様子を詠んだ。
春の水だから雑巾がゆったり沈むと断定したのだ。
論理的に解釈すれば春の水だろうが夏の水だろうが
雑巾の沈む速度は全く同じだ。

そこを春の水だからゆったり沈むと臆面もなく言い切るのが俳句の感性だ。
この場合「そんな馬鹿な」は通じない。

芭蕉の

閑さや岩にしみ入る蝉の声(しずけさや いわにしみいる せみのこえ)

を「岩に声がしみるか」と言う人はいまい。
これが俳句の高みであり、
感性なのである。
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2016年02月25日

ベス単フード外し

100年前ベス単というカメラが流行った。
1912年発売とともにベストセラーとなり
1925年までに180万台が販売された。
大量生産で比較的安価だったからだ。

昔のカメラのベストセラーだ。
単玉で折りたたみ式でヴェストのポケットに入ったことから
ベス単の愛称がついた。
正式名称はヴェスト・ポケット・コダック(Vest Pocket Kodak 、VPK)だ。
そのレンズだけを取り出して、
ニコンのD800Eに取り付けられるようにした改造レンズを入手した。
 
このレンズでの写真の撮り方はベス単フード外しというもので、
戦前日本で流行った。
フードを外すとレンズが大きくあらわになって、
撮った写真がにじんだりぼけたりする。

“とろとろ”になって何とも言えない味わいが出る。
顔の小じわも消える。
最新鋭の360万画素のカメラと100年前のレンズのコラボは面白い。
これまで触ると切れるような精細な画像を作り出してきたカメラが、
一転してレトロな風景を生み出すのだ。
まるでCDの冷たい音が、
アナログレコードの深い音に戻ったような大変化である。

雪撮りてベス単レンズ暖かし   杉の子
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2016年02月24日

白息は生命の象徴

今日もまた命貰ひて息白し  NHK写真俳句特賞 

白息または息白しは冬の季語。
掲句はNHKの写真と俳句のコラボレーションで特賞を貰ったものだ。
よほどの重病か高齢者かと思ったと見えて、
担当が電話をかけてきて「ご体調はいかがでしょうか」と聞くから、
「いやぴんぴんしてますよ。
高齢になったと仮定して作りました」と応えると、
がっかりしたような口調であった。
まだまだ死んでたまるかだ。
白息は高齢者より子供が似合う。
同じテーマで何度入選したことか。

白息を吐きてもの言ふ使ひの子   毎日俳壇1席

手を変え品を変えて作っているが、
子供の活発な動きと白い息がマッチする。

白息を吾に届けに子の走る   日経俳談入選

飛び付きて白息かけてくるる子よ    日経俳壇入選
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2016年02月23日

梅が咲いた

庭に紅梅と白梅がある。
雪で気になって外に出た。
白梅はちらほらとほころび始めていた。
紅梅も蕾がいっぱいついていた。
例年通り白梅が咲き、
これを紅梅が追いかける。
小鳥がその蜜を吸いに来る。
そして春らんまんとなる。
白梅の花粉を紅梅に着けてやると梅の実が鈴なりとなる。

青梅の丸薬ほどを見に庭へ   産経俳壇1席

芭蕉に

五月雨に鳰(にお=かいつぶり)の浮巣を見にゆかん

があるが、これをイメージした。
「何かを見に行く」のパターンは俳句になる。

探梅の小川の橋のありしまま    産経俳壇入選
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2016年02月19日

替え玉追加

福岡支社勤務で長浜ラーメンの味を覚えた。
元祖長浜ラーメンは外に客の姿が現れると、
麺をさっと湯に入れる。
客が店に入ると固めかフツーかを聞く。
だから瞬時に出来上がる。
替え玉を頼むとこれもすぐできる。
なぜ早いかというと麺が極めて細いからだ。
だから固めを注文したらさっさと食べないと、
固めの麺がフツーになってしまうのだ。
福岡では紅ショウガをたくさん入れて
ラーメンを真っ赤にして食べている人が多かった。
真似るとこれがやみつきになる。
 
近所にどこかにうまい長浜ラーメン屋がないかと思っていたが、
最近町田に結構うまい長浜ラーメン屋を発見した。
週に一度は食べに行く。
500円+電車賃往復360円だから結構高いが、
もう中毒だから、食べないと禁断症状が出る。
しかし年だからラーメン二原則を忠実に守っている。
一つは替え玉を追加しないこと。
もう一つはスープを吸わないこと。
これを守っているから血液検査値も悪化しない。
もっとも豚骨スープの白濁は骨のゼラチンなどが溶け出したもので、
本来それほど脂ぎってはいない。
近ごろ長浜ラーメンと博多ラーメンの区別が付かなくなっている。
昔は豚骨スープが長浜で、
博多ラーメンは「博多水炊き」のあとのスープで作るものと決まっていた。
したがって鳥のスープだ。ああまた食べたくなった。

替え玉を固めと追加春隣   東京俳壇入選

春隣だから替え玉を追加する決心をした。
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