2016年06月30日

時事句はさりげなく

冷房を贅沢として老いるかな   読売俳壇1席

早くも冷房の季節が巡ってきた。
昨日も入れた。
年をとると暑さ寒さが体にこたえるので、
冷暖房はきちんと入れている。

これは節約論議が激しいので、
作ってみたものだが、
時期的に選者の感性と一致した。
選者はさりげない時事句ととらえてくれたのだろう。

丈夫なり妻と昭和の扇風機   毎日年間俳壇賞

これもさりげなく節電に触れている。
時事句はニュース性を持たせてはならない。
持たせた途端に軽くなる。
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2016年06月29日

一点凝視

指確と曲げてシンクロスイミング     東京俳壇2席
 
俳句は一点凝視だ。
あれもこれも詠もうとすると、
読者の視点が分裂してしまう。
シンクロスイミングの水中から突きだした足の指先に着目した。
しっかりと曲がっている。
読者が分かるかどうかだが、
やはり注目するところは一致しているものなのだ。
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2016年06月28日

笑点見るにも俳句モード

蜆汁目玉映して啜るかな     毎日俳談3席

落語に貧乏所帯で汁に具がなく、
映った目玉をシジミと間違って食べる話があった。
句意は異なるが、
この落語を早朝のNHKで聞いて作った。

実際にお椀に水を入れて目玉を映してみたら、
光りの加減では映った。
おそらく選者も目玉を映してみたに違いない。

落語を聞くにも俳句モード。
笑点見るにも俳句モード。
シジミは春の季語。
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2016年06月24日

季語を響かせる

反戦で神田の生まれ唐辛子   産経俳壇1席

俳句のすべては季語にある。
他の言葉は「季語様」のためにあるのだと言っても過言ではない。
その季語が響けば俳句は成功する。

唐辛子は激しい絡みの香辛料で秋の季語だ。
猛禽類の鷹の爪の形をしているから
「鷹の爪」も同様に季語である。
上五中七の「反戦で神田の生まれ」という
ぴちぴちした生きの良い頑固爺さんが、
唐辛子とぴったり合う。

広沢虎三の浪曲「次郎長伝・森の石松」の中の
「江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」のように響くのだ。
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2016年06月23日

残る鴨

残りしか残されゐしか春の鴨    岡本眸

春深くなって鴨は北辺の地に帰るが、
中には一年中居付く鴨もいる。
「残る鴨」という。
春の季語だ。
句意は自らの意思で残ったのか、
それとも仲間から外されて残されたのだろうか、
あの春の鴨は。
これから酷暑を生き抜けるのかなぁ。
根底には人間世界にも通ずる底知れぬ淋しさがある。
やはり岡本の句に

日向ぼこあの世さみしきかも知れぬ

があるが、
これと通ずるものがある。

淋しさも茶柱と呑む炬燵かな   東京俳壇入選
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