2017年04月09日

黄昏レンズ

三夕(さんせき)の歌とは『新古今和歌集』に並ぶ
「秋の夕暮れ」を詠んだ三首の和歌をいう。
日本人なら「三夕」と聞いただけで、
そこはかとなき哀愁を感ずる名歌だ。

寂蓮(じやくれん)の

寂しさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮れ

西行の

心なき身にもあはれは知られけり鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ

藤原定家の

見渡せば花も紅葉(もみぢ)もなかりけり浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮れ

の三首。
『新古今和歌集』の代表的な名歌である。
今年も夕方の俳句に挑戦しようと思う。

鳧(けり)の子のけりつと鳴ける日暮れかな   東京俳壇入選

既に画壇には三夕どころか、
「無数の夕刻」を表現した版画家がいた。
川P巴水(はすい)だ。
別名「黄昏(たそがれ)巴水」と呼ばれたほど、
郷愁の日本の夕刻を表現し続けた。
これを筆者は写真で成し遂げようと、
「黄昏レンズ」を入手した。
ニコン58mm F1.4だ。
フラッシュなど不要の「黄昏専門レンズ」と名付けている。
これで黄昏の東京を撮って歩くつもりだ。
俳句も黄昏、写真も黄昏。
人生の黄昏時にふさわしいテーマの追求だ。

日の落ちてとっぷり暮れて十三夜   産経俳壇入選

写真は破水の版画と写真とのコラボ。
破水の版画にも傘を差している人が見られる。
posted by 蕪村顕彰俳句大学 at 00:00| Comment(0) | 俳壇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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