2017年06月06日

一茶のリフレイン

一茶はリフレインの名手である。
ただでさえ短い俳句の中で
言葉を繰り返すのだから無駄のように見えるが、
当たるとリフレインほど訴求力のある俳句はなくなる。
一茶はかなりの確率で当てているのである。
まず人口に膾炙(かいしゃ)した句は

やれ打つな蝿が手をする足をする

雀の子そこのけそこのけお馬が通る

の二首であろう。
「する」を重ねることでハエの情景がクローズアップで見えてくる。
「そこのけ」の繰り返しは、
威張っている武士階級を茶化して見事だ。

一つ蚊のだまってしくりしくりかな

もちろん蚊は刺しますと言って刺さない。
黙って刺すが、
しくりしくりであちこち刺された様子が浮かぶ。

千の蟻一匹頭痛の蟻がいる   東京俳壇入選

庭で蟻を見ていて直感であの蟻は頭痛に違いないと思った。


鳧(けり)の子のけりつと鳴ける日暮かな   東京俳壇入選

本当に鳧は「けりっ」と鳴くのだ。
だから鳧という名が付いたに違いない。

ときめきてすぐあきらめて石鹼玉     読売俳壇1席

日の落ちてとっぷり暮れて十三夜     産経俳壇入選

リフレインではないが
「て」という助詞を二度利かせることによって
リフレイン効果とリズム感を出した。
これも一種のリフレインだろう。
posted by 蕪村顕彰俳句大学 at 00:00| Comment(0) | 俳壇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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