2017年05月31日

俳壇

俳人中村草田男が

降る雪や明治は遠くなりにけり

と詠んだのは、
明治が終わって21年を経た後である。
早くも平成は29年、
昭和も遠くなったものである。
私は懐かしさもあって昭和をよく詠む。

最初に入選したのが朝日俳壇で

恐ろしき昭和を見たり昼寝醒(ざめ)    朝日俳壇1席

であった。
昼寝で昭和の夢を見たことにして「恐ろしき昭和」と形容したのが当たった。
戦争と混乱に明け暮れした昭和であった。
戦後は一時期までわらじを履いていた。
通学にもわらじの子がほとんどであった。

わら草履はける昭和よ冬の星   東京俳壇月間賞
 
竹の子生活と言って竹の子をはぐように、
母親の着物が次々に売られた。
親たちは深夜まで働いた。

丸眼鏡かけて昭和の夜なべかな    毎日俳壇1席
 
上野の地下道では親を亡くした浮浪児が靴磨きをして頑張っていた。

鰯雲昭和の少年靴磨く   東京俳壇入選
 
昭和の女は母親を見ても健気で一生懸命であった。

鳳仙花昭和の女健気なる   産経俳壇入選
 
そして

丈夫なり妻と昭和の扇風機    毎日俳壇年間大賞

として今日に至る。
実に丈夫なのである。
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2017年05月30日

犬と人生

我が人生に常についてきたのは犬だ。
今の家に住んでから、
シェルティ、ゴールデンリトリーバー、ブルドッグが亡くなり、
いまホワイトテリヤが末期症状だ。
亡くなった犬は庭の片隅に共同墓地をつくって埋めている。
皆懐かしい犬たちだった。
シェルティが老いたころ、
リトリーバーを買ってきたら、
恨めしそうに私を見た目が忘れられない。
皆庭で飼っていたが、
ホワイトテリヤは家の中で買っている。
この犬も14歳で老いた。
女房に内緒で買ってきたら、怒った女房が家出したが、
今は溺愛している。

老犬の盲(め)しひゆくらし冬の山   産経俳壇入選

ホワイトテリヤは、
あまりべたべたしないが、
愛情の強さは感ずる。
私が風呂に入ると必ず下着の上で寝ている。
おそらく私の匂いが安らぐのだろう。
犬は家の中で飼うと細やかな情が通じ合う。
そのテリヤのぼけが始まったようなのだ。
目もよく見えなくなってきている。
夜に家の中を徘徊するので、
深夜に原稿書きをしている書斎のソファに置いてやると、
ぐっすり寝る。安心するのだろう。
犬は天国の虹の橋のたもとで主人を待っているという。
10数匹の犬が待っているのだ。
そう考えると楽しい。
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2017年05月28日

脂肪肝に干しエノキ

NHKで干しエノキを食べ続けた女性の内臓脂肪が
2週間で26%も減ったと聞いて、
だまされたと思って一か月続けてみた。
そうしたら医者が定期検診で
「脂肪肝がなくなっています」と驚いていた。
医者には干しエノキを食べていることなど言わなかったが、
自分自身も驚いた。
脂肪肝は現役時代以来30年も指摘され続けてきたものだが、
肝硬変などやっかいな病気を巻き起こすと聞いていたから心配であった。
その後半年間続けたところやはり肝脂肪が減少し続けていた。
これは間違いなく本物だ。

作り方はエノキを天日に2時間干し、
お茶を煎るようにフライパンで煎って水分を飛ばす。
これをプロセッサーにかけて粉にして、
毎朝茶さじいっぱい煎じて飲むだけだ。
私の場合はサポニンいっぱいで高血圧にも効くごぼう茶と混ぜて飲んでいる。
干しエノキは既に商品化されており、
50グラム500円くらいが相場だ。
アマゾンで検索すれば出てくる。
牛蒡茶は市販製品がある。

山茶花の白の浮き出る薄暮かな   読売俳壇入選
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2017年05月25日

感性と俳句

俳句とは世界一短い詩である。
詩であるから詠む人は感性が欠かせない。
しかし感性のない人間は存在しないと思う。
嬉しければ笑い、哀しければ泣く。
これが感性の原点だ。だから誰にでもある。
しかしその感性を俳句モードにできるかどうかは別物だ。
俳句に使えなければ俳句用の感性ではないからだ。

春の水雑巾ゆったり沈みけり   東京俳壇2席

この句は雑巾がバケツに沈む様子を詠んだ。
春の水だから雑巾がゆったり沈むと断定したのだ。
論理的に解釈すれば春の水だろうが
夏の水だろうが雑巾の沈む速度は全く同じだ。
そこを春の水だからゆったり沈むと臆面もなく言い切るのが俳句の感性だ。
この場合「そんな馬鹿な」は通じない。

芭蕉の

閑さや岩にしみ入る蝉の声(しずけさや いわにしみいる せみのこえ)

を「岩に声がしみるか」と言う人はいまい。
これが俳句の高みであり、
感性なのである。
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2017年05月24日

ベス単フード外し

100年前ベス単というカメラが流行った。
1912年発売とともにベストセラーとなり
1925年までに180万台が販売された。
大量生産で比較的安価だったからだ。

昔のカメラのベストセラーだ。
単玉で折りたたみ式でヴェストのポケットに入ったことから
ベス単の愛称がついた。
正式名称はヴェスト・ポケット・コダック(Vest Pocket Kodak 、VPK)だ。
そのレンズだけを取り出して、
ニコンに取り付けられるようにした改造レンズを入手した。
 
このレンズでの写真の撮り方はベス単フード外しというもので、
戦前日本で流行った。
フードを外すとレンズが大きくあらわになって、
撮った写真がにじんだりぼけたりする。
“とろとろ”になって何とも言えない味わいが出る。
顔の小じわも消える。
最新鋭のカメラと100年前のレンズのコラボは面白い。

これまで触ると切れるような精細な画像を作り出してきたカメラが、
一転してレトロな風景を生み出すのだ。
まるでCDの冷たい音が、
アナログレコードの深い音に戻ったような大変化である。

雪撮りてベス単レンズ暖かし   杉の子
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